思春期の子どもが心を閉ざしたとき、親にできること・してはいけないことを、義足ママの実体験から綴ります。今、子どもとの関係に悩んでいるママたちへ。
私が母に当たり散らしていたあの頃の話
義足になる病気をしたとき、私はまだ20代になったばかりでした。
毎日が不安で、苦しくて、「なんで私が?」と繰り返し、とにかく何かを責めたかった頃の話です。
その頃、一番近くにいた母に私は何度も何度もきつい言葉をぶつけてしまいました。
「お母さんにわかるわけないじゃん」「放っておいてよ」「もう生きていたくない」
今思えば、どれだけ傷つける言葉を発したでしょうか。母は毎日欠かさず、車で1時間以上かかる距離を会いに来てくれていたのに。フルタイムで働く中でどれだけ毎日疲弊していたか…。
とにかく私は自分の体と心の痛みをどうにかしたくて、母に当たり散らし、だんだん感情が壊れていきました。
病気になって1番つらいのは誰?
あの頃の私は「自分が1番つらくて苦しい」と思っていました。
今となれば、自分より大切に思う娘が苦しむことが、どんなにつらいことか理解できます。だって、母になった私は、娘が病気になるくらいなら自分の命は惜しくないと今はっきり言えるから。
そんな経験があるからこそ、わかったこと。
子どもの痛みは自分にとって何よりも苦しいことです。だからこそ、苦しむ子どもを目の前にした時、冷静になる必要があることを知っています。
悩んでいる本人に母の気持ちはわからない
子どもが悩んでいるとき、親の「よかれと思って」の行動が、子どもの心を閉ざしてしまうことがあります。
悩んでいる子にとって、母の気持ちなんて知ったことではないですよね。どれだけ毎日悩んでいるか、子どもに理解できるわけありません。だって母の立場になったことがないから。
この記事では、親がついやってしまいがちな「5つのNG行動」を紹介します。
少しでも、親子の心の距離が近づくヒントになれば嬉しいです。
やってはいけない5つのNG行動
私が絶対にしてはいけないと心がけていることがあります。娘が可愛くて、ついやってしまいそうになる行動ばかりですが、感情的にならず冷静に考えることを心がけています。
①正論やアドバイスは不要
「それは気にしすぎだよ」
「相手にも理由があるんじゃない?」
子どもを励ましたい気持ちはわかります。でも、子どもがほしいのは「正解」じゃないんです。信頼できる家族に何をしてほしいのか?それはもちろん「共感」しかありません。
まずは、「そうなんだね」「嫌だったね」と受けとめるだけでもいいんです。
寄り添う方法やかける言葉ががわからないと思う方は、以下を参考にしてみてください。
・そんなことがあったんだね。どんなふうに感じた?
・それって、もしかして悔しかった?それとも悲しかった?
・心の中で、なんて思ってたの?
・言葉にするのって難しいよね。無理に話さなくてもいいよ
②無理に話を聞き出そうとする
「話してくれないと困るよ」
「ママにはだけは話してよ」
親が不安になるほど、どうにかして聞き出したくなる。
でもそれは、子どもにとって「圧」に感じることも。
「話したくなったら、いつでも聞くよ」と一言を伝えておくと、いつでも話をしていいんだと安心できます。
③他の子と比べる
「〇〇ちゃんはちゃんとできてるのに」
「お姉ちゃんのときは大丈夫だったよ」
比べられることで、子どもの心は「どうせ私なんて」と閉じてしまいます。
比べるのではなく、子どもが抱えている気持ちに寄り添うことが大切です。
④自分の感情をぶつける
「ママだってつらいんだけど!」
「そんな態度ならもう知らないからね」
親だって人間です。つい感情的になることもあります。でも、それをそのままぶつけてしまうと、子どもは“私のせいで親までしんどくなった”と自分を責めてしまいます。
感情的になりそうな時は、一度深く深呼吸してから「ママも悩んでる。でも、あなたの味方だよ」と伝えてみてください。
⑤気にしないふりをする
「気のせいじゃない?」
「そのうち元気になる」
変化に気づいてるのに言わないのは、子どもにとっては「私の気持ちはどうでもいいんだ」と映ることがあります。
「最近ちょっと元気ないね、何かあった?」と聞くだけでも、変化に気づいてくれていることが伝わり、心がほどけることがあります。
親は「完璧」じゃなくていい。横に立つ存在でいよう
子どもが苦しんでいるとき、必要なのは「正解」よりも「味方」。
助けすぎず、突き放さず、横に立つ人。それが、本当の意味での「親の在り方」なのだと思います。
前を歩いて道を切り開くのも違うし、後ろから追うだけじゃ表情は見えない。だから子どもの横に立って、肩を貸してあげたり、倒れそうならすぐに手を差し伸べてあげたりする存在が理想だと考えます。
思春期の子どもとの距離感って本当に難しい。感情的になりそうな時は小さかった頃の子どもの写真を見て、「ママ聞いて」「ママ大好き」って言ってくれていた頃の姿を想い出してみませんか?
あとがき:母への感謝と、今の私の願い
あの頃、何もできなかった自分を責めていたけれど、今なら母の気持ちが少しわかる気がします。
何も言わずに、ただ私のそばにいてくれたことが、どれだけ大きな愛だったのか——。
もしかすると、ここまで綴ってきた“正解じゃない行動”を、あの時の私に母がしていたら、きっと私は心を閉ざしていたと思います。だからこそ私は今、「正しさ」ではなく、「寄り添うこと」を大切にしたい。
母になった今、娘には「あなたの味方だよ」と胸を張って言える存在でありたいと思っています。
もし、今あなたが子どもとの向き合い方に悩んでいるなら、大丈夫。
今日から、何かを“変えよう”としなくてもいい。
まずは、「やらないほうがいいこと」を知るだけで、十分な一歩です。
あの頃、私の母がそばにいてくれたように。私も、娘にとって「どんな自分でも帰ってこられる場所」でありたい。
そのために、私は今日も、娘のことを真剣に考えています。
届いているかはわからない。でも、落ち込んだ時にふと思い出してくれるような存在になれるように、これからも表現できる限りの愛を、日々注いでいきます。


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